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刑事裁判の流れ

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このページでは、滋賀大津近くの弁護士が「刑事裁判の流れ」についてご説明します。

刑事裁判の流れ

日本の審級制度は、原則として、3つの審級を設ける三審制が採られています。裁判所は、簡易裁判所・地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所の4階級に分けられています。家庭裁判所は、地方裁判所と同階級です。

刑事裁判においては、第一審が簡易裁判所の場合も、その第二審・第三審は、それぞれ高等裁判所と最高裁判所である点で、民事裁判の場合と異なります。なお、決定に対する抗告も、すべて高等裁判所が管轄します。

刑事事件の審級、民事事件の審級

  第一審 第二審(控訴審) 第三審(上告審)
刑事事件 簡易裁判所(裁33) 高等裁判所(裁16) 最高裁判所(裁7)
地方裁判所(裁24)
家庭裁判所(裁31)
高等裁判所(裁16) なし
民事事件 簡易裁判所(裁33) 地方裁判所(裁24) 高等裁判所(裁16)
地方裁判所(裁24) 高等裁判所(裁16) 最高裁判所(裁7)
家庭裁判所(裁31)

第一審の流れ

第一審の公判手続きは、審理手続きと判決宣告手続に二分できます。そして、審理手続は、冒頭手続→証拠調べ→最終弁論→判決の確定の過程をたどります。審理手続きの中核は証拠調べです。

まず、冒頭手続は、人定質問・起訴状朗読・権利告知・被告人および弁護人の陳述という4つの手続からなります。冒頭手続が終了すると証拠調べの手続きに入ります。

証拠調べの手続きは、大まかにいうと、冒頭陳述→証拠調べの請求→証拠決定→証拠調べの実施→被告人質問の流れになります。

証拠調べがすべて終わると、その結果に基づいて当事者による意見陳述、すなわち最終弁論がなされます。

最終弁論は、証拠調べの後、できる限り速やかに行わなければならず、争いのある事実については、その意見と証拠との関係を具体的に明示して行わなければなりません。

そして、公判手続きの最終段階として、判決が言い渡されます。判決は必ず公開の法廷で宣告により告知します。宣告は裁判長が行い、主文及び理由を朗読するか、または主文の朗読と同時に理由の要旨を告げる必要があります。

第二審(控訴審)の流れ

控訴裁判所は、第1回公判期日前に、控訴趣意書・答弁書・第一審裁判所から送付された訴訟記録について検討を加え、第1回公判期日を迎えます。

第1回公判期日においては、控訴趣意書に基づく弁論、相手方の弁論が行われるほか、事実の取調べが行われる場合があります。事実の取調べとは、第1審裁判所から送付された訴訟記録等以外の何らかの資料により、実体法上及び訴訟法上の事実の存在を確かめることです。

具体的には、第一審と同様、証人尋問・被告人質問や証拠書類の取調べ等が挙げられます。事実の取調べをしたときは、検察官及び弁護人は、その結果に基づいて弁論をすることができます。

控訴審の終局結果としては控訴棄却決定のほか、控訴棄却判決・原判決破棄判決・控訴取下げ・公訴棄却等があります。

原判決破棄とは、控訴理由があるとき及び判決後の情状により、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認められるときになされます。

第三審(上告審)の流れ

上告とは、判決に対する最高裁判所への上訴をいいます。上訴も控訴審と同じく事後審(事件そのものではなく、原判決の当否を審判する形態のこと)です。上告と控訴の違いとしては、不服申立理由が異なるだけです。

したがって、控訴に関する規定は、法律に特別の定めのある場合を除いて、すべて上告審に準用されます。

上告する場合、控訴審の判決が言い渡されてから、14日以内に、最高裁判所に宛てた「上告申立書」を高等裁判所に提出します。

申立てをしてから約2ヶ月後までに、なぜ上告をするのか、その理由を書いた「上告趣意書」の提出をもとめられるので、指定された日までに提出することが必要になります。

上訴審では、上訴趣意書に指摘された上訴理由の有無を中心に調査が行われます。上告審の結論としては、上告棄却の決定、弁論を経ない上告棄却判決、上告棄却判決、原判決破棄、公訴棄却決定があります。

刑事事件弁護士の用語解説

第一審とは

第一審とは、訴訟事件を最初に審判する裁判のことです。刑事訴訟においては、死刑、懲役又は禁錮にあたる罪の訴訟は、原則として地方裁判所に属します。

また、少年の福祉を害する特定の罪に関する事件は、家庭裁判所の権限に属します。ただし、罰金以下の刑にあたる罪の訴訟は簡易裁判所に専属します。

傷害、名誉毀損など選択刑として罰金刑が定められている罪については、地方裁判所も競合して管轄権を有することになります。

控訴審とは

控訴は、地方裁判所又は簡易裁判所がした第一審の判決に対して行います。刑事訴訟においては、高等裁判所が控訴審となります。また、控訴審の手続きは、申立て→審理→判決という順序で進行します。

まず、控訴の申立書は第一審裁判所に差し出すことになります。申立権者は、検察官、弁護人・被告人です。

控訴申立てのできる期間は判決宣告から14日間です。その期間が経過しますと、判決は確定します。控訴申立てのできる理由は、訴訟手続きの法令違反・法令適用の誤り・刑の量定不当・事実誤認などです。

控訴審の審理手続きは、原則として第一審の公判に関する規定が準用されます。控訴審では、被告人は原則として公判期日に出頭する必要はありません。

公判期日には、検察官及び弁護人は、控訴趣意書に基づいて弁論をしなければなりません。

上告審手続とは

上告審手続とは、上告審での審判手続のことをいいます。

刑事訴訟法上、上告審の手続には、ほとんど控訴審手続についての規定が準用されています。上告審では、上訴趣意書に指摘された上訴理由の有無を中心に調査が行われますが、この点も控訴審手続きと同じになっています。

ただし、上告審手続きには、特別規定もあります。具体的には、口頭弁論を経ないで書面審理だけによる上告棄却判決が認められる規定、被告人を召喚する必要がないという規定です。

さらに、上告審には、法定の上告理由にあたらない事項についても、広く職権で原判決の当否を調査することができるという規定もあります。上告審では、死刑事件を除けば、口頭弁論の行われる例は少ないです。

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